2025年10月、Windows 10の公式サポートが終了します(有償のESUを除く)。
過去にWindows 7やXPのサポート終了時には、現場でさまざまなトラブルが実際に発生しました。
本記事では、サポート終了後に起こりうる問題と、過去の具体的なトラブル事例を整理し、事前対策のポイントを解説します。
サポート終了後に起こりうるトラブル
1. セキュリティ脆弱性の放置
サポートが切れたOSには新たなセキュリティパッチが提供されません。
そのため、ゼロデイ攻撃やランサムウェアに狙われやすくなり、社内ネットワーク全体への侵入リスクが高まります。
2. 周辺機器・業務アプリのサポート打ち切り
ウイルス対策ソフト、業務アプリ、プリンタやNASなどの周辺機器が、古いOSのサポートを打ち切るケースがあります。
「Windows 10用ドライバが更新されない」「サポート窓口が終了する」といった事態により、機器が使えなくなるリスクがあります。
3. 取引先・顧客からのセキュリティ要求に不適合
最近では取引先や委託元から「最新OS・最新パッチ適用が必須」と求められることが増えています。
古いOSを使い続けると、契約上の要件を満たせなくなる可能性があります。
4. VPN・リモート接続の不具合
Windows 11以降ではVPNクライアントや暗号化プロトコルが強化されている一方、Windows 10では古い認証方式が残るケースがあります。
サポート終了後にネットワーク機器側が新OS向け仕様に移行した際、古いOSでは接続不可になる事例が予想されます。
過去のサポート終了で実際に起きたトラブル事例
1. Windows XPサポート終了(2014年)のケース
- ATMやPOS端末など組み込み用途で使われていたWindowsが更新されずに残存し、マルウェア感染のリスクが全国的に報じられ、対応の遅れが問題視された
- 自治体・医療機関などで旧システムが残存し、脆弱性攻撃の標的となる恐れが専門家から指摘され、対策強化が求められた
2. Windows 7サポート終了(2020年)のケース
- 業務ソフトが Windows 10(移行先)に対応していないとの報道が相次ぎ、多くの企業が移行対応に追われ、一部では一時的な業務停止リスクが懸念された
- ウイルス対策ソフトが Windows 7 版のサポートを打ち切る動きが報道され、未知の脅威に対して無防備化する恐れが指摘された
- 古いVPNクライアントが Windows 10(移行先)で動作しない可能性が報じられ、テレワーク環境維持への対応が急務となった
これらの事例は「まだ動くから」と旧OSを使い続けた結果、突発的な停止・情報漏えい・多額の移行費用につながったパターンです。
事前にできる対策
- 社内のPC・周辺機器・ソフトの棚卸しを行い、Windows 11対応可否を確認する
- 対応不可なものは代替案・移行スケジュールを早めに検討
- VPN・NASなどネットワーク機器との動作検証を前倒しで実施
- どうしても移行できない場合は、ESU(有償延長サポート)のコスト試算を行う
まとめ
Windows 10サポート終了は避けられませんが、過去の教訓を踏まえれば被害を最小化できます。
「まだ動くから大丈夫」ではなく、事前の棚卸し・検証・移行計画が重要です。
早めに動くことで、突発的な業務停止やセキュリティ事故を防ぐことができます。
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